NEWS RELEASE:JR&私鉄 5 |
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2025-10-17 01:45:41 |
2025年10月16日
東海旅客鉄道株式会社 東海道新幹線 新しい営業車検測技術の開発について 東海道新幹線では軌道(線路)や架線といった地上設備を健全な状態に維持するために、ドクターイエローによる計測や社員の徒歩巡回などにより検査を行っていますが、検測専用の車両を用いなければならず、検査にも労力がかかるという課題がありました。そこで、さらなる安全性向上と効率化を目的として、これまでも営業車での検測を可能とする技術開発を進めてきました。 この度、新たに軌道・架線の状態把握や、電線類・電柱に対する支障物の自動検出が可能となる、新たな営業車検測の技術を開発しました。これにより、今まで開発してきた営業車検測の技術と合わせて、ドクターイエローの検測機能を全て代替します。また、社員が現地で行っている検査の一部を営業車検測で置き換えることが可能となります。 1.新たな営業車検測技術の概要 (1)軌道検測システム(別紙1) ・ドクターイエローでは床下を通したレーザ光を基準線として、その基準線からレールまでの距離を計測し、軌道の形状を算出する方式ですが、レーザ光を通すためには車体の床面を底上げする必要がありました。この方式では客室の天井高が低くなり、営業車に採用できないことから、レーザ光を通さず1つの台車のみで検測可能なシステムを開発しました(特許出願済)。 (2)架線検測装置(別紙2) ・ドクターイエローでは集電用とは別の測定専用パンタグラフに複数のセンサを搭載し、架線の異常有無を確認していました。今回、営業車の集電用パンタグラフ付近に新たに設置した3台のカメラで撮影した画像を解析することで、測定専用パンタグラフを必要とせずに架線の異常を自動で検知する装置を開発しました。 (3)先頭車画像装置(別紙3) ・営業車の運転台にカメラを新たに設置し、画像処理技術やAI技術を活用することで、電線類や電柱に対する支障物を高速走行中に自動で検知する国内初の装置を開発しました(特許出願済)。 2.期待される効果 ・別紙4のとおり、今回の技術開発によりドクターイエローでのすべての検測を営業車検測で代替するとともに、社員が目視等で行っている点検の一部も置き換えることができます。これにより、ドクターイエローのような検測専用車両を開発・製造・運用する必要がなくなり、コストダウンにも繋がります。 ・営業車での検測が可能となることで、ドクターイエローでの検測と比べ検査の頻度が向上し、東海道新幹線の安全性をさらに高めることができます。 3.導入時期 ・2027年1月からの運用開始を見込んでいます。 |
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