No.2033 【東武】日立と車両メンテナンス分野の DXに向けた協創を開始
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2025-11-12 02:37:43  
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                              2025年11月11日
                             東武鉄道株式会社
                            株式会社日立製作所

  東武鉄道と日立、車両メンテナンス分野の DXに向けた協創を開始

 持続的な鉄道事業の確立に向けて、日立がグローバル展開するHMAXを日本で初めて最大限活用することで、車両メンテナンスの効率化と人的資本の強化を推進

 東武鉄道株式会社(以下、東武鉄道)と株式会社日立製作所(以下、日立)は、持続的な鉄道事業の確立に向けて車両メンテナンスのDXを推進するため、日立がグローバルに展開するデジタルアセットマネジメントプラットフォームHMAXを活用した協創に取り組むことに合意しました。日本の鉄道事業者がHMAXを最大限に活用する、初の取り組みとなります。
 両社は、「車両検査の自動化」「人の作業の最適化」「現場力の向上」の3つの観点で、デジタル技術を活用した業務改革を推進することで、現場の課題解決を実現し、持続的な鉄道事業の確立に向けて取り組んでいきます。

 少子高齢化による労働人口の減少や雇用流動性の高まりなどにより、車両メンテナンスをはじめとする鉄道オペレーションに関わる人材の確保が大きな課題となっています。こうした社会課題に対し、東武鉄道では「持続的な鉄道事業の確立」の実現に向け、デジタル技術の活用による業務効率化により、人が創造的な仕事に注力できる環境づくりを推進することで、社員のスキルとエンゲージメントを向上させつつ生産性を高め、人材の獲得と定着の強化を実現し、鉄道事業の持続性を高めることをめざしています。
 日立は、AIと自社の豊富な知見を組み合わせ、新たなサービスを提供し社会インフラの変革をめざすLumada 3.0を展開しています。Lumada3.0を体現するソリューション群HMAXは、さまざまな分野の課題解決を推進しています。鉄道事業においては、列車、信号、インフラ管理を最適化するオールインワンのデジタルアセットマネジメントプラットフォームとして世界で約2,000編成・8,000両以上に導入されており、日本でのさらなる展開に注力しています。

 東武鉄道のビジョンの実現にむけて日立のHMAXソリューションを活用し、デジタル技術の活用による業務効率化を両社は推進します。業務効率化だけではなく、現場とそこで働く人々に焦点を当てた改革を進めることで、魅力的な職場環境の創出と従業員のスキルとエンゲージメント向上による人的資本の強化を進め、今後も安全・安心・快適な鉄道運行の実現をめざしていきます。

HMAXを活用した協創の取り組みの詳細
1.車両検査の自動化
 検査負荷の低減を図るため、車両の状態をリアルタイムで把握できる「車両オンラインモニタリングシステム(Remote)」*1や車両外観の異常を自動検知できる「車両外観モニタリングシステム」*2を活用した次世代型検査を推進します。

*1 地上と車両間の通信を活用して車両の状態を遠隔で把握し、不具合のリアルタイム検知を可能にするシステム。乗車率、運転速度、消費電力などのデータを可視化し分析することで、運行の省エネ化やメンテナンスの効率化にも貢献する。
*2 車両の屋根・側面・床下などの目視点検を、AI技術の活用によって自動化し、検査業務の負荷低減、検査時間の短縮に貢献する。

2.人の作業の最適化
 ムリ・ムダのない業務プロセスを実現するため、「チェックイン・チェックアウトシステム」*3による業務の可視化を行います。作業効率の向上と作業負荷の平準化による生産性向上を推進します。

*3 ポータル端末と作業者が装着するICタグを連携させ、各作業者のチェックイン・チェックアウト時間などの、取得データを分析し可視化できるシステム。作業のムリ・ムダを抽出し、効率的な人員配置や作業計画、作業標準時間の策定に寄与する。

3.現場力の向上
 情報共有やコミュニケーション手段の拡充を進め、現場力をさらに高める仕組みを構築します。「車両メタバース」*4などの先端技術により、コミュニケーションの質とスピードの向上に取り組み、業務効率の改善と連携強化を推進します。

*4 車両構造、搭載機器の機能、故障・メンテナンス履歴などの情報を入力できる共有プラットフォームの役割を果たすシステム。故障への迅速な対応や発生メカニズムの早期解明、メンテナンスに携わる作業者一人ひとりの技能レベルの向上、自ら積極的に学ぶ意識の醸成が期待できる。

各社の主な役割
東武鉄道:HMAXの実証や運用体制の構築を通じたDX施策の推進、車両運用やメンテナンスなどの現場業務のノウハウと関連データの提供
日立:  東武鉄道の業務に合わせたHMAX各ソリューションの導入、AIによるデータ分析、既存システムとの連携と車両メンテナンスの高度化支援

HMAXを活用した鉄道運行のさらなる高度化に向けて
 日立は、東武鉄道との協創を機に、日本の鉄道業界における労働人口減少・利用者ニーズの多様化・インフラ老朽化などの社会課題の解決に取り組んでいきます。鉄道車両の台車に設置した振動センサーのデータを収集し、台車および軌道(線路)の異常を検知する台車振動センサーや、鉄道オペレーション・メンテナンスを一カ所に表示する統合ダッシュボードなどの開発を進め、持続可能な鉄道運行に向けた取り組みを加速していきます。

鉄道技術展での展示について
 日立はHMAXおよび、現在開発中の統合ダッシュボードを、11月26日(水)〜29日(土)に幕張メッセで開催される鉄道技術展2025に出展します。日立の出展内容については、関連するニュースリリース*5をご参照ください。
*5 ニュースリリース2025年10月22日日立が鉄道技術展に初出展
  https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2025/10/1022a.html

HMAXについて (英語サイト)
 https://www.hitachirail.com/products-and-solutions/digital-asset-management/

Lumadaについて
 https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/index.html

東武鉄道および東武グループについて
 東武グループは、東武鉄道を中心に鉄道・バス業などの運輸事業、ホテル業などのレジャー事業、分譲・賃貸事業などの不動産事業、百貨店業などの流通事業、建設業などのその他事業の5つのセグメントで事業展開し、東武鉄道および連結子会社68社から構成されています。特に、鉄道事業は、関東私鉄最大の鉄道ネットワークを有するほか、世界一の高さを誇り東京のシンボルである東京スカイツリーRは、電波塔としても重要な役割を果たしているなど、グループとして様々な社会インフラを有しています。

日立製作所について
 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。
撮影日:
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発言URL: https://www.railforum.jp/ftrain/app/bbs.php?Xbno=114&Xvno=2033
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