No.8763 【蒸機の時代】No.102 特集 9600の活躍を偲ぶ
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2025-12-20 05:33:26  
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株式会社エリエイ
http://www.eriei.co.jp

とれいん2月号増刊 季刊“蒸機の時代”2026冬号 No.102


編集統括 : 林 嶢
編集   : 福田静二
考証補佐 : 前里 孝
装幀,レイアウト: 前里規子

発 行 日: 2026年2月1日
発 行 人: 平井憲太郎
発 行 所: 株式会社エリエイ プレス・アイゼンバーン
       http://www.etrain.jp
       雑誌06760−02
印刷・製本: 昭栄印刷株式会社
定   価: 定価3,630円[本体3,300円](税10%)

目次

巻頭言                      4

宮津線 コンソリ日和
 本州屈指のキューロク路線      田路和男  5

丹後路に春告げる“チューリップ号”
 9600の牽く臨時列車       伊賀正孝 22

9600が挑んだ宇津峠のみち
 米坂線 秋から冬へ そして雪解けへ 安達 格 25

胆振・岩内線の二つ目9600
 老雄の活躍をいま思う        奥野和弘 35

Gallery
 武蔵野を縫って 川越線の古強者
              杉江 弘・宮地 元 45

〈カラーページ〉
フェスティニオグ鉄道 the Ffestiniog Railway
                   山本高英 51

線路に沿って歩いた日々
 冬の日本海側を南下         川本紘義 61

〈連載〉京都から煙を追いかけて(2)
 二条駅が,蒸機撮影の入り囗だった 芝山喜久男 69

連載 C51コレクション
 その風格を語り継ぐ(3)      中島忠夫 77

とれいん増刊 季刊“蒸機の時代”2026年冬号 No.102
発行日:2026年2月1日

巻頭言
大正2/1913年川崎造船所で9600形が誕生,大正15/1926年までに汽車会社,小倉工場製を含め総数770輛が製造されました.当初は御殿場線(当時は東海道本線)の推進用補機として使用される目的でしたが,勾配線用,そして貨物列車用として全国に広く配置され使用されてきました.また戦前には支那大陸にも多数供出され使用されていました.北海道の炭鉱鉄道でも老体に鞭打って働いていた姿も忘れることができません.
 昭和45/1970年前後9600形の配置は北海道,九州が多く入換や列車牽引に活躍していましたが,本州での配置は割合少なく入換用が主で,列車牽引には米坂,川越,八高,高山,宮津線で使用されていました.今号では米坂,川越,宮津線で昭和45/1970年前後に活躍していた9600形の姿を紹介させていただきます.
 奥野和弘氏からは二つ日玉の9600形が活躍する胆振線と岩内線を寄稿していただきました.荒れ狂う冬の日本海側を走る列車と風景,昭和45/1970年前後の京都・二条に行き交う蒸機列車,前号に引き続きC51たちを鑑賞していただければ幸いです.
 また山本高英氏から寄稿していただいたイギリス,フェスティニオグ鉄道の美しい風景の中を走る蒸気機関車に魅了されます.
 さて,保存されている蒸気機関車も数々ありますが,その中で青梅鉄道公園には美しい化粧煙突,S字カーブのキャブである9608が保存されています.かつて竜華機関区で入換用として働いていた美しいカマですが,同鉄道公園のリニューアル工事が終ったら是非会いに行きたいと,楽しみにしております.
 林 曉 “蒸機の時代”編集長


あとがき
“蒸機の時代”102号特集は,大正時代を代表する貨物用の機関車9600形です.大正2/1913年から昭和元/1926年
にかけて,770輛と大量に製造されました.最大の特徴は,通常は動輪の間に収めていた火室を台枠の上に置いたことで,ボイラーが異様に高くなったことです.ボイラー中心の高さが2,580oあり,これは戦後のC62まで破られなかったと言われます.逆に動輪径は1,260mmで,短足の印象を受けますが,愛嬌が感じられ,9600が好みのベテランファンも多くいました.
 性能の良さからも重宝され,四国を除く全国で活躍し,北海道や筑豊地区では現役蒸機の最終期を飾りました.大量に製造された分,その装備にも,右に挙げた2燈化の機体のほか,さまざまな形態が生まれ,一輛一輛ずつの差異を楽しむこともできました.いくつかの線区では,客車列車も牽き,通常は貨物列車のみの宮津線でも,夏季の海水浴列車“はしだてビーチ”,年に一度だけの“チ
ューリップ号”も9600が牽きました.私にとっては,幻となった“チューリップ号”でしたが,宮津線に熱心に通われた田路和男さん,伊賀正孝さんから,貴重な写真を見せていただくことができました.
 現役時代の蒸機に関しては,スタイルの整った大型蒸機に関心が向くなか,あえてその対極にある9600にスポットを当てた次第です.
 また今号では,テーマ性を持った小特集として,ベテランの川本紘義さんから,心象的なシーンもまじえた“線路に沿って歩いた日々”を始めていただきました.もう撮ることも叶わない有限の現役蒸機ですが,その表現の手法は無限にあることを,改めて肝に銘じて編集を進めて参ります.
 (福田静二)


蒸機の時代 No.102 機関車番号索引
形式・番号    ページ
日本国有鉄道
9600形  45・50・裹表紙
9634   26・31・32
19640  36・38
19650  37
19690  8・15・17・18・20
29625  5・16・21
29668  27・28・34
29680  7・24
29683  46・48
29689  26
29698  11・12
39616  6・9・13・14・18・19
49681  25,29
59654  49
59663  26・29
69624  35・37・40・41
69633  30・33
69652  30
69653  表紙,9・10・22・23・24
79615  42
79616  4・43・44・83
79602  39
79661  49
79665  47

C57形     61・62・66
C57 15   70
C57 39   74・76
C57 89   69・73
C57 113  表紙
C57 127  72・75
D50 109  63・75
D51 534  67
D51 1018 72
DD54 7   71

C51コレクション(3)
C51 115  77
C51 117  77
C51 118  77
C51 121  77
C51 121  77
C51 123  77
C51 124  78
C51 125  78
C51 126  78
C51 127  78
C51 128  78
C51 134  78
C51 135  79
C51 136  79
C51 137  79
C51 139  79
C51 140  79
C51 142  79
C51 145  80
C51 146  80
C51 147  80
C51 148  80
C51 149  80
C51 150  80
C51 151  81
C51 152  81
C51 153  81
C51 154  81
C51 155  81
C51 156  81
C51 157  82
撮影日: 1970年04月26日
撮影場所: 網野
キャプション: 表紙:チューリップの開花に合わせて宮津線で一年に一日だけ運転された9600の牽く臨時列車“チューリップ号”.もう一本のC57にもヘッドマークが掲げられて,はなやかな春の幕開けを告げている 伊賀正孝
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