No.768 【JR東海】定例社長会見(平成20年2月・東京)
ほりうち(ccbu8181) 2008-02-21 23:23:11  
JR東海 ニュースリリース

平成20年2月20日

 定例社長会見(平成20年2月・東京)



平成21年度 新規採用について

平成21年度、つまり来年の4月に入社予定の社員の採用計画数については、大学および大学院卒が約410人、高専卒が約60人、短大卒が約50人、専門学校卒が約70人、高校卒が約370人で合計約960人になります。

当社は従来から安定的な採用に努めていますが、東海道新幹線バイパス実現に向けた様々な取り組みを進める中、山梨リニア実験線での走行試験をはじめとする超電導リニア技術開発の推進、および、実験線の設備更新・延伸工事が本格化することに加えて、大量退職時代のピークを迎えていることや鉄道輸送量の増加が今後も見込まれることなどを勘案し、平成20年度採用計画数に比べ、約140人拡大しました。

今後とも、優秀な人材の確保に努めて参りたいと思います。


機能材料研究所 光触媒ガラス製造に関する新技術発見について

愛知県小牧市に平成14年6月に設立した当社の研究施設では、「鉄道技術のブラッシュアップ」と「新しい分野への挑戦」の2本の柱を中心に取り組んできました。

1本目の柱の「鉄道技術のブラッシュアップ」については、高速鉄道のさらなるブラッシュアップに向けた研究開発を行っています。具体的には、東海道新幹線の乗り心地等の快適性向上や、騒音・省エネ等の環境適合性向上に向けた技術開発であり、世界に1つしかない乗り心地の良い車両を開発するための高速鉄道車両の「車両運動総合シミュレータ」や最適な車体形状の設計に役立てる「低騒音風洞」により、鉄道技術のさらなる深度化をはかっており、N700系はこれらの研究の成果といえます。

もう1つの柱である「新しい分野への挑戦」では、平成15年4月に光触媒反応を発見した応用化学の分野での世界的第一人者である藤嶋昭氏(東大特別栄誉教授、日本化学会会長)を機能材料研究所長として当社にお招きし、機能材料の基礎研究・応用開発を行っています。

機能材料研究において、汚れを簡単に落とすことができる光触媒ガラスの研究を行なってきましたが、今回これまで以上に低コストかつ高い強度で製造できる技術を発見しました。

光触媒をガラス表面にコーティングして光を当てると、光触媒の持つ超親水性効果が現出します。これにより、雨などが光触媒に触れるとその水がガラス表面全体に広がり、自然に汚れを浮かせて洗い流します。これが光触媒のセルフクリーニング効果です。

光触媒として利用されているのは酸化チタンが一般的で、この酸化チタン光触媒を利用した商品は、すでに外壁材料や自動車のサイドミラーやビルの窓ガラスなどがあります。ただし、従来の光触媒ガラスは粒状(つぶじょう)の酸化チタンをコーティングしているため、表面に細かい凹凸(おうとつ)が出来やすく、さらにガラスとの密着性が弱かったので、鉄道車両や自動車の窓ガラスのように、洗車機を使用するような部材への適用が困難でした。

当社の機能材料研究所では、この欠点を克服するために、「チタニア ナノシート」と呼ばれるシート状の酸化チタンをガラス表面にコーティングする技術の開発に取り組んできました。チタニア ナノシートは数ナノメートルと非常に薄く、表面が平滑(へいかつ)になるために汚れが付着しにくく、またガラスとの密着性が高いため、洗車機にも耐えられる強度を持った薄膜(はくまく)を形成することが可能です。同研究所にて新幹線車両用ガラスを試作して試験を実施したところ、強度・耐久性とも問題ないことが確認できました。現在、N700系の先行試作車のグリーン車の窓ガラスに搭載して実証試験を行っています。

今回新たに「チタニア ナノシート」より性能の高い酸化ニオブを用いた「ニオビア ナノシート」を開発し、より低コストで、かつこれまでの「チタニア ナノシート」と同様にガラスとの密着性の高い光触媒薄膜(はくまく)を形成するというものです。これにより、これまでの「チタニア ナノシート」と同じ性能で半分以下のコストでできる可能性があり、製造時の大幅なコストダウンが期待できます。

従来の酸化チタンを用いた薄膜(はくまく)の形成にあたっては、ガラス中のナトリウムによって酸化チタンが変質してしまうため、それを抑えるために、ガラスの上に下地膜(したじまく)を敷き、酸化チタン薄膜(はくまく)を形成する必要がありました。そのため、2度の焼成(しょうせい)工程が必要でした。

今回発見したコーティング技術では、光触媒材料としてチタンの代わりにニオブを使った「ニオビア ナノシート」を利用します。酸化ニオブはガラス中のナトリウムを積極的に取り込んで活用することができるため、酸化チタンで必要だった下地膜(したじまく)が不要になり、1度の焼成(しょうせい)行程で十分な親水性(しんすいせい)と強度を持つ光触媒ガラスを形成することができます。

引き続きコストダウン等の研究、開発を行い、東海道新幹線での実用化はもちろん、バスをはじめとする自動車ガラスなどへの応用展開も検討していきます。

なお、この技術について、物質・材料研究機構と共同で2月8日に特許を出願しました。

今後も、機能材料研究所では、鉄道以外の新たな事業展開も視野に入れ、研究開発を続けていきます。


東京駅一番街「東京キャラクターストリート」開業イベントについて

東京駅一番街では、この3月8日(土曜日)に、東京駅の新名所となる「東京キャラクターストリート」が開業します。

東京駅八重洲側地下1階に、今回初めてNHKと全ての在京キー局のオリジナルグッズショップが6ショップそろい、加えて親子で楽しめるキャラクターショップなどが9ショップ、合わせて15のショップが勢揃いします。

この開業にあわせ、様々な開業イベントを行ないます。なお、イベントスペースは名称を「いちばんプラザ」としました。

3月8日当日は、午前9時40分より、「いちばんプラザ」においてオープニングセレモニーを行います。キャラクターとお子さまによる「くす玉割り」を合図に東京キャラクターストリートが開業します。

また、小学生以下を対象に、好きなキャラクターと自分が一緒にいるシーンを描いた絵を事前に募集していましたが、キャラクター毎に入賞者を選出して当日表彰式を行います。

さらに、開業日当日は、キャラクターとの握手会や音楽隊ミニ演奏会を行い、ストリートにご来場いただいたお客さまを楽しく賑やかな雰囲気のなかでお迎えします。

一方、開業からゴールデンウィークまでの間は、「いちばんプラザ」においてショップ毎に色々なPRイベントを実施します。キャラクターとの握手会・写真撮影会など内容はさまざまであり、イベントの詳細は決定次第、東京駅一番街ホームページでご案内します。

今後とも、「東京駅一番街」、そして「東京キャラクターストリート」に是非ご期待いただきたいと思います。



発言URL: https://www.railforum.jp/ftrain/app/bbs.php?Xbno=59&Xvno=768