■リリース その10 (raireki_release010.TXT) 2026.05.23(土) 石野 哲
姫津線(きしん?せん)の読み解明についての、M.ITOさんのご発言を、
伊藤博康さんからお知らせいただきましたので、
『A:停車場変遷大事典 国鉄・JR編』
『B:駅名来歴事典』
の訂正をアップしました。
M.ITOさん、
北海道立図書館での、鉄道公報現物調査、大変ありがとうございました。
小生、1998年渡道3回(AのU巻p990)以来訪れていないので、懐かしいかぎりです。
所在地が、函館本線大麻駅前(江別市文京台東町41)というのがシブイですね。さらに、住所もシブイ。
Aで「きしん?ひめつ?」をBで「きしん?」としたのは、根拠あってのことではなく、国鉄線名は「音読み+音読み」が多い印象なので、「きしん?」の方が可能性大かなと思い、直してしまったのですが、浅慮でした。
※東海道(とうかいどう) のような、音読み+音読み のほか、
大糸(おおいと) 米坂(よねさか) 「訓読み+訓読み」
岡多(おかた) 「訓読み+音読み」……岡の音読みはコウ
幸袋(こうぶくろ) 「音読み+訓読み」
の4パターン存在
姫津線(ひめつせん)が姫津東線(ひめづとうせん)姫津西線(ひめづさいせん)となったのは、東西が末尾に付くと、「つ」より「づ」の方がゴロがよかった(発音しやすかった)からと思います。
姫津東線+姫津西線=姫津線と戻った時点の訂正は、念のため、
※これには読みの記載無いが、「ひめづとう+ひめづさい」なので、「ひめづ」踏襲と推定
としました。
実際は人によって、「ひめつ」「ひめづ」混在だった、と思われます。
個人的には、どちらも言いにくく、聞こえにくい
「訓読み」より「音読み」で命名した方が、読みの揺れが少ない感じ
ただ、「音読み」だと、知らない線名は、駅名で類推が難しくなる
ご存じのように、AのT巻p86に記したように、線名に読みがなが必ず付くようになったのは、
昭和46(1971).03.07改称、長野原線→吾妻(あがつま)線 から。
たしかこの頃、「山手線」の読みが問題となり(たしか英語表記をどう綴るかの問題だった)、長野原線の大前延伸に合わせて、昭和46(1971).02.26、公示第76号が出されたのです。
当時の国鉄全線について、漢字線名と仮名線名をずらずらと並べた公示で、施行日が、大前延伸開業日の昭和46(1971).03.07でした。
この時正式に、「山手線=やまのてせん」となったのです。
過去の記録(年表)を発掘したら、
時刻表1965(昭和40).10月号から、『国鉄全駅名に、ひらがなを併載』とありました。
1965(昭和40).09.24『全国152駅と日本交通公社79支店に「みどりの窓口」(「マルス102」端末467台)。指定券は1週間前から発売』と、同年表にあるので、今までの口頭での申し込みから、原則、用紙に記入しての指定券申し込みとなったことがきっかけだった、と想像しています。
それまでは時刻表には、難読駅名のみ、散発的に掲載していた
ところで、時刻表で、線名全部に読みを付けたのは、いつからだったのでしょう。
不確かですが、昭和46(1971).03.07以前は、難しい線名のみにフリガナだったと思います。
小生が編集に携わったのは1974(昭和49).6月号からなので、その3年前です。
ご紹介いただいたひめつ線「S05.07.25通報(鉄道公報p931)」に、「八月三十日ヨリ營業開始ノ見込」とありますが、実際に開業したのは1930(S05).09.01でした。
S05.08.28鉄道省告示第234号
https://dl.ndl.go.jp/pid/2957567/1/4
に、『昭和五年九月一日ヨリ姫津線姫路余部間鐵道運輸營業ヲ開始ス(以下略)』と出ています。
AのT巻p96に記してある、国有鉄道線路名称改正「S05.08.28省233」の告示と、連続して1セットとなっています。
この告示の順序と文章の書き方は、毎回デフォルトでした。
1923(T12).08.21の作備線=津山口・津山間及び津山・美作追分間
告示原文は、津山口津山間及津山美作追分間
T12.08.18鉄道省告示第154号
https://dl.ndl.go.jp/pid/2955439/1/2
についても、ひとことふたこと。
津山口は中国鉄道の終点で、津山の町の西端でした。
よくある、川の手前まで開業して、そこをターミナル(または仮駅)としたケースか、と思い地図を調べたら、津山の町(津山城下)は、東西に流れる吉井川の北方にあり、現津山駅も川の南岸に位置します。
この作備線は、津山口から東進し、同じ吉井川南岸の津山まで延伸し、ここで折り返して、津山口からの線路に並走して津山口のごく手前まで戻り、離れてすぐ吉井川を北へ渡り、院庄を経て美作追分に至る新線です。
津山口〜院庄間は、この両駅直線距離の、約3倍走るルートです。
ちなみに、この時点では、津山の先(東側)に鉄路はありません。
1928(S03).03.15 因美南(いんびなん)線 津山〜東津山〜美作加茂間開業
1934(S09).11.28 姫津西線 東津山〜美作江見間開業
上記作備線は津山口から美作追分まで連続しているので、線路名称に「及」の字を使っているのも意味深です。
「及」はふつう、水郡線=水戸・安積永盛間及び上菅谷・常陸太田間 のように、分岐する支線がある場合の書き方です。
津山の先(東側)にいずれ延伸した場合、
作備線=津山口・美作加茂間及び津山・中国勝山間
のように命名する可能性があったため、と想像します。
例えば、1923(T12).11.23 陸羽西線=新庄・羽後岩谷間、余目・鼠ケ関間及び貨物支線。
もっとも、美作追分から久世まで延伸した1924(T13).05.01に、
作備線=津山口・久世間 と、すっきり改めています。
なお、中国鉄道は戦時買収される1944(S19).06.01まで私鉄で、この日晴れて、
姫新線=姫路・新見間及び津山・津山口間
が、現行と同じ、
姫新線=姫路・新見間
津山線=岡山・津山間
となったのでした。
津山は、美作(みまさか)国の中心ですが、なじみの薄い国名です。
小生が「美作」を一番最初に記憶したのは、宮本武蔵の生国としてでしたが、現在は、宮本武蔵は播磨国出身説が主流のようですね。
また、吉井川といえば、瀬戸内海から津山城下まで高瀬舟が遡って行き来し、物資輸送の大動脈でした。
津山藩全体では最多で、186隻もの舟が輸送に携わっていたと、
岡山観光Web おか旅 源流付近から河口まで。吉井川の歴史めぐり カブライダーこばんが行く!vol.14
https://www.okayama-kanko.jp/okatabi/935/page
に紹介されており、河岸跡の碑も建っています。
津山の下流、柵原(やなはら)鉱山は、明治になって採掘が始まり、最初は吉井川の川舟(高瀬舟)で鉱石を輸送していました。
1923(T12)年、片上〜和気〜備前矢田間に「7306片上鉄道(かたかみてつどう)」を敷設し、索道〜鉄道によって、片上港に運ばれるようになりました。
のち1931(S06)年、柵原まで鉄道が延伸されています。
小生が1970(S45)年頃、私鉄を乗り回っていた頃には、「同和鉱業(どうわこうぎょう)」という名前になっており、秋田県の小坂・花岡線も同和鉱業で、同一会社が離れた県にある、稀なケースでした。
通称「片上鉄道」「小坂鉄道」で区別していた
京福電気鉄道、伊豆箱根鉄道も同一ケースでしたが、京福の福井はえちぜん鉄道となり、今や伊豆箱根鉄道のみとなりました。
この伊豆箱根鉄道は、神奈川県と静岡県なので、距離はごく近いのですが、地方名が別で、運輸局も別なので、私鉄会社一覧を作成する時、毎回引っかかり困っています。
検修設備が静岡県駿豆線にあるので、大雄山線を静岡県にまとめるやり方もありますが、とても離れてしまい見付けにくいので、小生は別々に、それぞれの県に立てています。
最後にクイズ。
鉄道創業時の横浜駅が、現在は桜木町の名前のように、鉄道の延伸に伴って、駅名が変わる例は多々あります。
下記の駅名は現在のどの駅名でしょうか。<答えは掲載しません>
1 1905(M38)0801 1003 北海道鉄道 小樽
2 1892(M25)0801 1001 北海道炭礦鉄道 室蘭
3 1902(M35)1210 1003 北海道鉄道 函館
4 1891(M24)0901 4601 日本鉄道 尻内
5 1934(S09)1111 5514 三信鉄道 佐久間
6 1898(M31)0504 6601 紀和鉄道 和歌山
7 1892(M25)0720 6401 山陽鉄道 三原
8 1891(M24)0401 9101 九州鉄道 門司
9 1897(M30)0722 9101 九州鉄道 長崎
10 1901(M34)0610 0000 官鉄 国分
以 上
===2026.05.24(日)追加発言===
ひとつ、書き漏れました。
平安時代頃以来の、漢字は「真名(まな)=正式な文字」、かなは「仮名」との考え方からと思いますが、
ものの名前は漢字が本チャンで、読みは付けたりだ、との伝統があります。
昨今、Webで検索するに当たり、読みが必要となるケースが増えました。
銀行振り込みでも、個人に振り込む場合、氏名の読み入力は必須です。
複数の読み方ができる姓名の「にせ口座」により、金融犯罪が行われたことがあったそうです。たしか、当時は漢字でのチェックが難しく、読みでチェックしていたので、読みさえ変えればスルーだったとか
下記はついに、「戸籍」の漢字氏名に、振り仮名が記載されるようになるまでの経緯です。
ただ、振り仮名が、平仮名でなくカタカナというのが、ちょっと笑えます。
*2019.05.31(令和01.05.31)(金) 改正戸籍法(令和元年法律第17号)公布(2024.03.01施行)
戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付が不要に。本籍地以外で戸籍謄本を取得可能に。「戸籍電子証明書」の発行も可能に。各種社会保障の手続き時に、マイナンバーを提示すれば戸籍謄抄本の添付が不要に〔法務省HP〕
*2023.06.09(令和05.06.09)(金) 戸籍の振り仮名法制化(令和5年法律第48号)公布(2025.05.26施行)
戸籍法(昭和22年法律第224号)の一部改正を含む「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」により、戸籍の記載事項に、新たに氏名のフリガナ(カタカナ)を追加〔法務省HP〕
*2024.03.01(令和06.03.01)(金) 改正戸籍法(令和元年法律第17号)施行(2019.05.31公布)
*2025.05.26(令和07.05.26)(月) 戸籍の振り仮名法制化(令和5年法律第48号)施行(2023.06.09公布)
市区町村から各世帯に「戸籍に記載する予定の フリガナの通知」が郵送され、各個人が訂正届出可能の1年間を経過したのちの2026(令和08).05.26以降に、戸籍に記載
※2026(令和08).05.26とは、なんと、あさって火曜日です
以 上