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No.6546 【両備G】新型コロナウィルス影響下での緊急対策提言
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-04-08 01:13:33
 新型コロナウィルス影響下での地方生活交通維持に向けた緊急対策提言

                 (一財)地域公共交通総合研究所
                  代表理事 小嶋光信(両備グループ代表)

 地方における暮らしや社会的機能維持のために生活交通維持は必要不可欠ですが、鉄軌道、路線バス、フェリーなどの生活交通は、今回の新型コロナウィルスによる影響で少なくとも2割、深刻な場合で6割の減収となり今後の経営維持に深刻な影響が出ています。
 例えば、両備グループでも鉄軌道、路線バス、フェリーの生活交通を提供していますが、このままの状況が今年9月まで続くとあらゆる対策を講じても4月−9月の半年で生活交通事業は前年比16億円の減収で収入28億円、経常損失12億円に転落します。津エアポートラインのように空港への海上アクセス路線は何と9割の減収です。
 生活交通が他産業と違うのは、暮らしや社会的機能維持のためにどのような状況においても、できうる限りの路線維持の必要があり、減収になっても大きな減便休止等の策を打ちにくいことです。即ち、国が打ち出した経済対策の中で特に雇用調整は殆ど使えない状態で生活交通事業者への救済策が極めて乏しい状況にあります。
 従って、新型コロナウィルス影響下での地方生活交通維持に向けて6つの緊急対策を提言いたします。


1.新型コロナウィルス対策地方生活交通維持特別補助金(減収補助)の新設
2.燃料税、消費税、固定資産税等の税の減免
3.地方自治体などの公共交通補助に新型コロナウィルス対策特別交付金の新設と地域間交通維持・確保に向けた補助金要件の緩和
4.地方自治体などのバスターミナル、駐車場、港費や港湾施設使用料などの使用料の減免
5.従業員やお客様の感染症予防対策の導入・実施の補助に加え、従業員に感染者が確認された場合の優先的医療的措置の政府保証の政策パッケージの投入
6.風評被害対策の実施


 そもそも新型コロナウィルスの影響とは関係なく、従前より地方交通事業者は8割以上が赤字経営であり、残り僅かな黒字事業者も、抱える路線の8割が赤字の構造で地方交通を維持するには虚弱な経営体質のため、収入額の4割程度に相当する経常損失を持ちこたえるのは極めて困難です。自動車大国のアメリカでは公共交通維持に250億ドルの緊急支援が既に実行されていますのでご参考までに紹介させていただきます。

政策パッケージのポイントは4つ。
●250億ドルをばらまく。使い道は各州の判断で地域事情を考慮した使い方をしてよい。
●州が独自に展開する公共交通支援策に対して連邦政府からの資金拠出を手厚くする(例:通常50%補助→これを80%補助まで引き上げる)
●既に出している公共交通向けの補助金の対象期間を30日延長する
●緊急事態が宣言された州では公共交通規制要件を大胆に緩和しemergency relief docket(規制緩和一覧)として直ちに公表する
( https://www.transportation.gov/briefing-room/us-transportation-secretary-elaine-l-chao-announces-25-billion-help-nations-public U.S.DepartmentofTransportationサイトより)

 日本とは規模・質・スピード感に格段の差があり、緊急事態の政策遂行の仕組みに大きな課題があります。
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No.6586 (Re:6546) 【両備G】コロナ災害に対して損失支援を緊急提言
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-05-26 21:44:10
 地方生活交通の新型コロナ災害による赤字額は346億円/月で経営危機!
    ―4月から9月まで2,076億円の損失に対する国の支援を提言―

                       (一財)地域公共交通総合研究所
                            代表理事 小嶋光信

地方生活交通事業者は、新型コロナウィルス感染拡大のなかでも地域の生活や社会的機能を守るために運行を続けなければならないという使命感を持って事業を推進している。しかし、運行している以上、雇用調整助成金や国の多くの支援金、協力金などの救済の恩恵を享受しづらい状況にあり、全国の地方路線バス、路面電車、地方鉄道、フェリーの4つの地方生活交通事業者は4月単月で346億円の赤字に到達している可能性がある。4月〜9月までの半年間このトレンドが続くと2,076億円の巨額損失になる。そしてほとんどが従前から赤字の地方生活交通業者にとって、将来ともこの巨額赤字を埋め合わせる手立てはない。
既にこの5月に埼玉県の路線バス会社が倒産しているが、私が再建した井笠鉄道のようにある日突然バッタリという経営の危機をはらんでいる事業者の数は図りしれない。規制緩和以来、利用者の利益を中心にした法律となっているため、運輸当局でもこれらの緊急事態の場合に、その利用者の利益を守るために必要な事業者の経営実態を十分につかんでいないので、未だに的確な支援額が国として示せず十分な国や自治体の支援の輪が見えてこない。
そこで、当総研では4月7日に緊急提言を出し、地方生活交通は他産業のように需要が減ったら休業すれば良いという業態ではない特殊性を鑑みて警鐘を鳴らし、早期の支援を提言したが、社会や生活交通が使命感にて運行を維持していることから経営危機に気づかず適切な措置をとろうとする政治や国の動きは出なかったのではと危惧している。
それでは、新コロナ災害による経営危機を交通事業者自身が身体を張って訴えれば良いと思うし、私も知り合いの交通事業者に促したが、80%以上の事業者が赤字の産業で国や自治体から補助金をいただいている交通事業者としては、面と向かって危機を訴える勇気も気力も失いかけている。
国の第二次補正予算では、地方生活交通に限らず、陸も海も空も大きな打撃を受けている全ての交通産業への具体的な支援を期待している。
地方生活交通では少なくとも9月までは影響が続くとして、新コロナウィルス感染による災害克服の支援金として、また、地方創生の面からも生活交通維持の支援金として2,076億円以上の支援が行われるように緊急に提言する。

(算定根拠等について)
赤字額は、両備グループの生活交通事業における収入の減少率を使い、それを地方路線バス、路面電車と地方鉄道、フェリー等の旅客船の国内全体に当てはめ算出したものである。
(1) 両備グループの2020年4月の収入の減少率
  1)岡山地区(両備+岡電)路線バス: 49%減
  2)岡山地区(岡電)路面電車: 66%減
  3)(一社)中国旅客船協会46社: 67%減

*3)の数字は(一社)中国旅客船協会が4月30日に80社を緊急調査し46社からの回答の数字です。

(2) 赤字額の算定
交通モード別の収入や費用は各業界団体や国が公表した数値から当総研が算定しており、それぞれの収入や費用、損失の想定は以下の通り。

 *伊藤注:添付画像をご覧下さい。

上記の単月332億円の損失が4月〜9月の6ヶ月間続くと仮定して2,076億円(346億円×6ヵ月)の損失と算定した。


(3) 両備グループの生活交通事業の直近の状況(参考)

 *伊藤注:添付画像をご覧下さい。
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 1208×940(26%表示)
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No.6605 (Re:6586) 【両備G】「不可欠に業務を行う事業者」を救う緊急提言
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-06-13 09:40:48
   緊急提言
   地方生活交通維持には使いにくい地方創生臨時交付金!
     「不可欠に業務を行う事業者」を救うには

 −支援金、交付金の「活用できない費用」の適用除外業種の特例が必要−

                      (一社)地域公共交通総合研究所
                            代表理事 小嶋光信

公共交通は、政府の新型コロナウイルス感染予防対策に対する「基本的対処方針」で緊急事態宣言下でも国民の生活や経済の安定確保のために不可欠に業務を行う事業者として、休業要請の対象外になっていました。それ以上に、公共交通に携わる者として地域の足を守るという使命感に燃えて必死に歴史上稀に見る大赤字でも運行を継続しています。特に地方生活交通については、事業者が元々8割以上赤字体質であるにも関わらず、運行継続努力をひたすら続け、乗務担当社員の皆さんも、場合によっては新型コロナウイルス感染の危険にさらされ、その家族は運輸業の仕事の家庭と白い目で見られるなどの社会情勢の中で任務を果たしてくれていることに、国民の一人としても感謝にたえません。
このように公共交通は国の要請と事業の特殊性で、休業して事業を守るという経営手法は取れない状況下、肝心の公共交通を支援してくれる国の助成金や支援金までが極めて少なすぎ、特に地方の交通事業者は経営維持に大きな問題をはらんでいます。
しかしながら、一縷の望みであるところの地方創生臨時交付金に至っては、活用できない経費として「損失補償」「人件費」「用地費」等が挙げられています。
「人件費」は新型コロナウイルス特例の雇用調整助成金をはじめとして思い切った助成が行われているので広く他産業は利用できるタイムリーな国の支援策と思いますが、「不可欠に業務を行う事業者」である公共交通には休業補償や雇用維持支援がほとんどなされない状況でした。

1.国は地方創生臨時交付金では公共交通事業は「活用できない経費」から損失補償や人件費について特例で除外すべき業種に指定すべきと提言します。

「損失補償をしない」という臨時交付金の条件は、休業も出来ず国民の生活や経済の確保という国の方針に従って運行した交通事業者には全く使えない、酷すぎる、厳しい条件です。一方で休業せず不可欠に業務を行うという「国の方針」に従って歴史上ありえないような損失が発生していながら「損失補償は無し」では、立つ瀬がありません。
今回の損失は経営努力で乗り切れる赤字ではなく、新型コロナウイルス感染による「自粛と緊急事態宣言下でも動かせ」という国の方針で生じたいわば「非常事態下の災害」でるため、業種的特例として条件から除外すべきです。
また休業が出来ず雇用維持を図る手立てもなく運行継続方針が示された以上、最初から収入が見込めずに赤字覚悟で運行した人件費は他産業なら当然休業補償や雇用維持助成金がもらえるはずで、それらと同様に、お客様が4~6割も減り減便ができたはずの人件費には「見做し休業補償」や「みなし雇用維持助成金」として国が地方創生臨時交付金で支援をしなければならないといえます。
休業するな、運行せよ、しかし補償はしないでは公共交通の維持は不可能であり、このような論理的に成り立たない方針にならないように公共交通には適用できるように「特例により除外」すべきであると提言します。

2.利用者の利益や利便は健全な事業者の存在維持が前提である。


「運送法」は「利用者の利益の保護及びその利便の増進」が目的で交通事業者の利益は保証したものではないという方もいらっしゃいますが、「健全な事業者」の維持が図られず、そもそも交通の供給がなくなってしまえば利用者の利益も利便も損なわれ「生活交通維持こそが利用者の利益」という時代の変化を理解すべきだと提言します。

少子高齢化社会での「利用者の利益」とは「交通路線網の維持」に変わったのです。新型コロナウイルス対策での地方創生臨時交付金の主たる目標は地方創生の基盤維持でもあり、それは公共交通維持が第一番目の生活インフラになったとご理解いただきたいと思います。

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No.6847 (Re:6605) 【両備G】緊急朗報!地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援が1番目
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-12-17 01:52:51
                              2020年12月16日
                      (一社)地域公共交通総合研究所
                            代表理事 小嶋光信

緊急朗報!国交省来年度予算概算要求
『危機に瀕する地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援』が1番目の項目に!


12月15日に国交省より来年度予算のリリースがあり、「緊要な経費」のコロナ関連要求事項として『危機に瀕する地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援』が1番目の項目としてあがっています。
やっと地方公共交通の危機的な実態にメスが入り、将来に向けた抜本的な改革への第一歩になるのではと期待しています。
https://www.mlit.go.jp/common/001364233.pdf

なお今年度の3次補正予算は、
 ・全体では3.3兆円
 ・ポストコロナを見据えた地域公共交通の活性化・継続 304億円となっています。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001378258.pdf