NEWS RELEASE:全般      3
No.868 (Re:866) 【名古屋レール・アーカイブス】NRA NEWS No.6 神谷コレクションについて
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2009-11-25 18:44:02
非営利活動法人 名古屋レール・アーカイブス         2009年10月
 http://nagoyarail-acv.or.jp/nra/
   NRA NEWS No.6



神谷コレクションについて
 NRA理事長 津田和一

 NRAニュース4号で報告したように、交友社で保存されている神谷静治氏の撮影された膨大な写真のデジタル化が神谷夫人によって認められ、NRAではデジタル化を行っています。会員の皆さん各々仕事を持っておられて多忙のため、作業は現在一人で行っておりますが、ほぼ半分程度まで進んでいます。デジタル化の作業によって神谷コレクションのすばらしさが徐々に形をなして来ているので、ここで神谷コレクションを紹介します。
 神谷さんといっても多くの方はご存知ないと思います。非常に地味な方で、仕事一筋に過ごされました。したがって、若い方は勿論、年配の方でも知らない方が多いと思います。もっとも、東京地方の方の中には、神谷さんのご厚意や便宜を受けた方がおられると聞いています。私が神谷さんのお名前を知ったのは、鉄道ピクトリアル33号(1954年4月号)に掲載された「買収国電を探る」の飯田線に関連して、豊川鉄道の電車の形式写真を発表されたのを見たのが初めてでした。
 神谷静治氏は1926(大正15)年11月6日のお生まれで、昭和17年3月末から豊川鉄道吉田(豊橋)工場に勤務され、豊川鉄道が鉄道省に買収されて、昭和18年8月の国鉄引継ぎ(この日から豊橋機関区となる)も経験されています。豊川鉄道時代には鳳来寺鉄道、田口鉄道の車輌の保守もされ、それ以外にも三信鉄道・伊那電鉄の車輌も運用の関係で吉田工場へ入って来ていたそうです。
 買収されてからは蒸気機関車では2400形、電気機関車ではED19を始めとして、また電車では国鉄の木造車から17m鋼製車の他、買収社形が他線から数多く転入しています。神谷氏は戦争末期から戦後の混乱期にかけて、これらの車輌の保守・検修を担当されていました。そのかたわら写真を撮られたり、車輌の変遷の記録をされたりしていました。
 その頃に撮影された写真やその後の名古屋電化の頃に至るまでの豊橋機関区及び豊橋を中心として、丹念に撮影された写真が、推定ですが4000枚ほど残されています。ネガの保存状態は極めて良く、ほとんどカビも生えていません。ただ残念なのは、これら写真のデータの行方が、全く分らないことです。ネガのきちょうめんな整理を見ても、あるいは1997年、飯田線沿線の箕輪町郷土博物館での飯田線の特別展に寄せて、神谷さんが思い出を書いておられることなどからも、何処かに写真のデータがあるものと考えています。データが見つかれば神谷コレクションの価値は一段と高まることと思います。
 写真から推定しますと、昭和22年頃から飯田線の車輌の写真を撮り始められたものと思われます。旧系国電は当然の事として、木造国電や社形、買収電気機関車、東海道線の列車、試運転列車など立場上知り得た情報を元にして撮影されたと思われる貴重な写真が多数あります。2003年に豊川市の桜ヶ丘ミュージアムで開催された「飯田線展」にも貴重な写真を多数提供されていました。
 NRAでは出来ることなら、何らかの方法で神谷コレクションを公表できないかと考えています。そのためには、ぜひともこれら写真のデータが欲しいところです。 神谷さんは1999(平成11)年8月にご逝去されましたが、素晴らしい写真を多数残していただき、私共鉄道を趣味とし、また写真や資料を保存しようとするものにとって忘れることの出来ない方です。そのような貴重な写真を名古屋レール・アーカイブスで保存出来ることは有難く、また、名誉なことだと考えています。
 最後になりましたが、神谷コレクションのデジタル化を認めてくださいました神谷夫人様、保管されている賛助会員である交友社の宮田寛之様(鉄道ファン名誉編集長)、仲介の労を取っていただきました牧平行史様、神谷さんについての資料を提供していただきました日比野浩一様に御礼申し上げます。