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No.6700 (Re:6697) 【国土交通省】第19回「日本鉄道賞」 (別紙)
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-11-25 01:41:00
[出典:国土交通省ホームページ]

【日本鉄道大賞】

◎東日本旅客鉄道株式会社
「全線運転再開〜沿線の方々の思いを乗せて再びつながった常磐線〜」

(選考理由)
 ふくしま浜通りは、美しい自然に恵まれ温かい人々のつながりのある豊かな歴史を持つ地域であり、常磐線はそこにある街と人々を結び、地域の大切な足の役割を長らく果たしてきました。しかし、2011年 3月の大地震と津波のため、人々の暮らしと街、そしてその暮らしを繋いできた常磐線が甚大な被害を受け、一部の地域の放射能汚染の影響も深刻でした。このため、常磐線運行再開には、人々の懸命の努力にもかかわらず、大変険しい道のりがありました。
 常磐線再開事業の御関係者は、地元自治体との連携を大切にし、様々な社会的・技術的困難を乗り越え、津波により被災した区間を復旧し、より安全性の高い新たな線路への移設を進めました。さらに、原発事故により帰還困難となったエリアの除染作業を着実に行い、9年以上の努力を経て、全線の再開を実現されました。その足跡は、審査員全員にとって、素直に感銘を覚えるものでした。
 人類がこれまで経験したことがない大きな困難のもと、震災復興のまちづくりと並行して進められたこの鉄道重要インフラ再構築を通じて得られた知見は、その価値を顕彰し、広く語り継ぐべきものです。さらに、貴重な日本の鉄道関係者の誇るべき歴史として、克明に記録し、その具体的経験を国際的に発信すべきものです。
 震災後9年を経た令和時代の今日、その復興を朗らかに祝おうとしたまさにそのとき、図らずも世界的感染症の脅威に見舞われ、私達の暮らしも、鉄道を含む交通事業も、再び大きな困難の中にあります。しかし、この難しい状況にあるからこそ、9年前の未曾有の被災から見事に立ち上がった常磐線の姿は、私達に明るい希望を示してくれるものとなっています。
 以上により、本事業を特に高く評価し、ここに日本鉄道大賞を授与します。


【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞
 「四国に愛と勇気と笑顔≠届ける救世主!地域創生」特別賞】

◎四国旅客鉄道株式会社
 「四国に元気と笑顔を!〜アンパンマン列車とともに 20年〜」

(選考理由)
 1998年、景気の後退・高速道路の延伸・少子高齢化などの影響から鉄道収入の減少傾向が著しい中、発生した記録的豪雨により土讃線(繁藤.高知間)が3ヶ月間不通に。現状を打開すべく、アンパンマンの原作者であるやなせたかし先生が高知県のご出身であることに着目し「アンパンマン列車を走らせたい!」と目標を見据えJR四国として大きな舵取りを決断されました。
 キャラクタービジネスに関する知識もなく、広告代理店に依頼する余裕もないという、マイナスからのスタート。誠意と熱意が身を結び、2000年10月記念すべき最初のアンパンマン列車の運行がはじまりました。
 以降、アンパンマン列車のなかった時代を思い出せないほど、JR四国と言えばアンパンマン≠ニいうイメージ付け、ブランディングに成功。ご家族連れのお客様を中心に多くの支持を得ることに。積極的にお客様の声も取り入れ、フォトスポット用のベンチや列車ひろばを設置するなど、四国中どこに行ってもアンパンマンワールド≠ニいう世界観を20年かけて見事につくり上げられました。
 東日本大震災発生後は、トロッコ列車を東日本エリアに初出張。被災エリアの子ども達を無料で招待するなど復興支援にも取り組まれ、その功績は大きく、日本中を勇気づけました。
 鉄道ファンのみならず一般の利用客をも魅了し続ける当企画は、鉄道界への貢献という側面だけでなく、多くのロールモデルになりうる好事例であり、受賞に値する取り組みであると評価いたします。これからも、多くの笑顔を乗せたアンパンマン列車が走り続けることに期待します!


【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞
 「手づくりミュージアムが地域と鉄道会社を元気にする」特別賞】

◎京浜急行電鉄株式会社
 「「歴史的名車」を「社員の想い」を込めて〜五感で感じる京急ミュージアム〜」

(選考理由)
 京浜急行電鉄株式会社は2020年1月、創立120周年事業の一環として、横浜・みなとみらい地区の本社ビル1階に「京急ミュージアム」を開設しました。館内には、約2年をかけて復元した歴史的車両デハ230形をはじめ、京急ラインジオラマ、電車シミュレーションなど、『本物』にこだわった展示物を設置。約4カ月の休館などコロナ禍の影響を受けつつも多くの来館者を迎え、地域に新たな賑わいをもたらしています。また、家族連れをはじめ多様な来館者の姿を直接目にすることで、鉄道の必要性や人々の同社に寄せる期待を実感でき、社員の意識やモチベーションの向上につながっています。地域を活性化するとともに、鉄道の魅力や存在意義などを広く情報発信する有益な施設として、「手づくりミュージアムが地域と鉄道会社を元気にする」特別賞を授与します。


【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞
 「先進技術で未来を駆ける至高の新幹線車両開発」特別賞】

◎東海旅客鉄道株式会社
 「N700Sの開発」

(選考理由)
 N700Sは、先駆的な技術を多数導入した日本を代表する高速鉄道車両です。具体的には、高い安全性を実現するブレーキシステムや状態監視、優れた快適性の実現や高速鉄道世界初のバッテリー自走システムの採用などが挙げられます。また、 0系新幹線と比較して 50%以上の高い省エネルギー性能を実現している点も高く評価されます。
 「N700Sの開発」には、安全で快適に移動を楽しむことができるような、先進技術が多く用いられています。日本の新幹線のステータスをさらに高める高速鉄道車両開発を高く評価し、ここに「先進技術で未来を駆ける至高の新幹線車両開発」特別賞を授与します。