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No.6902 (Re:5161) 【岡山バス7社】八晃運輸申請に関わる岡山市の対応への抗議と要請
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2021-01-31 19:55:05
                              2021年1月28日
岡山市長
大森 雅夫 様

岡山市公共交通網形成協議会 会長
阿部 宏史 様

              中鉄バス梶@      代表取締役 藤田祥江
              両備ホールディングス梶@代表取締役 松田敏之
              東備バス梶@      代表取締役 佐藤輝彦
              備北バス梶@      代表取締役 政森毅
              岡山電気軌道梶@    代表取締役 小嶋光信
              下津井電鉄梶@     代表取締役 永山久人
              中鉄北部バス梶@    代表取締役 藤田祥江
                        (押印省略)

     八晃運輸殿の路線延伸(岡山駅東口乗入れ)申請に関わる
           岡山市の対応への抗議と要請

 平素より岡山市内の路線バス運行にご支援頂いておりますことに御礼申し上げます。
 さて、本年1月15日に突如、国土交通省中国運輸局岡山運輸支局(以下、岡山運輸支局)より公益社団法人 岡山県バス協会(以下、バス協)に対してして八晃運輸株式会社の路線延伸(岡山駅東口乗入れ)の申請(届出日1月4日)を受理したとの通知がありました。バス協会から提供された申請書の一部書面(運行計画概要書)には、新設停留所名(使用乗り場)すら記載されていなかったため、 岡山運輸支局へ確認したところ何番乗り場を使用しての申請であるかについては回答をいただけませんでしたが、岡山駅の使用に関しては『添付書類にそれなりのものがある。』と聞いており、バス協及び西日本旅客鉄道株式会社様へ何も照会がなかったことを踏まえると、岡山運輸支局から説明のあった『それなりのもの』とは岡山市から出された何らか書面ではないかと推測しています。

 我々としましては、本件の路線延伸は以下の6つの理由で協議会で検討すべき事項と考えています。即ち、

1. 岡山駅東口構内バスターミナルへの乗入れは協議会で議論してほしいとバス協から 岡山市に対して申し入れが行われていること。

2. 実際に岡山駅東口構内バスターミナルへの乗入れはバス路線再編とは異なる別個の議題として協議会でこれまで議論がなされてきた内容であること。

3. 岡山駅東口構内バスターミナルへの乗入れには安全性、定時性の確保等多面的な検証が必要で、本件に関わらず、これまでしっかりとした協議を経たうえでターミナル運用を行ってきたおり、現に、めぐりん益野線の岡山駅東口構内バスターミナルへの乗入れはその協議の場の一つである第3回幹事会で既に不承認となっており、協議会の決定事項に関わるため協議会で再度検討することは当然のことであること。

4. 新型コロナウイルスの影響で岡山市内全体の路線網維持が危機に瀕している現状での新たな事業計画については、そもそもの路線延伸の必要性に加えて、公共交通網形成計画との整合性や路線網毀損に繋がらないか等の多岐にわたる慎重な検証と評価が特に必要であり、この検証と評価は協議会で行われるべきものであること。

5. 八晃運輸株式会社の益野線は令和2年4月から大幅な減便(当初の一日59本から52本を減便しており、現在7本しか運行がない)を実施され利用者が大きく減っていることに加えて、異種運賃政策をとっていることから市内初乗運賃の適正化という網計画上の柱となる施策との矛盾があり、これについて協議会全体で協議する必要性があること。

6. 岡山市は現時点で利便増進計画を策定中であり、そのことで今日までバス事業者に様々な意見聴取をしてきており、本件についてのみ地域認定を受けていないことを理由として協議しないことは不合理であるため、法(改正活性化再生法)の趣旨に基づき競合バス事業者からの意見聴取がなされる必要があること。

 かかる理由から、先日の幹事会にて議題にするよう岡山市に対してバス協会から申し入れを行いましたが議題とはなされず、幹事会委員からの発言ではじめて本件が議題に上がりました。上記の通り、本件については協議会での慎重かつ丁寧な協議と検証が必要不可欠であるにもかかわらず、本件を議題として取り上げなかったことは地域公共交通の維持発展のための協議会の存在意義を蔑ろにする岡山市の不誠実な対応と言わざるを得ません。また、岡山市は、以下の要旨の通り、本件に関して協議会の存在意義のみならず国の法改正の趣旨をも蔑ろにする答弁を行っており、耳を疑うものであります。

@ 11月9日にバス事業者連名での書面の申し入れがあったことをもって利便増進計画策定は中断されているものだと岡山市は判断している。従って、本件は改正活性化再生法に基づく意見聴取の事案には該当せず、運送法に従って国に判断を仰ぐ案件であるため協議会で議論する必要性が全くなく議題化はしない

A バス事業者の事業計画に対して岡山市は指導する立場にはなく、法に則って国にその是非を判断してもらうべき

B めぐりんの岡山駅東口構内バスターミナルへの乗入れは利用者利便の観点で良いこと

 こうした岡山市の認識や協議の進め方には次の通り、4つの大きな問題があり、これらの問題点を抱えたままなし崩し的に物事を推し進めようとする岡山市の対応に強く抗議いたします。

I. 岡山市は利便増進計画中断の日をバス事業者8社連名の要請書受けた11月9日とされましたが、要望当日に市(市長)から中断するとの回答はなく、後日11月26日付けの書面で新たに分科会を設置し議論するとの回答でした。その後、12月17日にバス分科会が開催され、市から具体施策(3本柱)に関する今後の『方針案』が示され、令和3年1月14日に7事業者連名での回答書提出に至っています。このような経緯に照らせば利便増進実施計画の中断を11月9日とすることはつじつまが合わず、後付けの方便にすぎません。また、本来、中断と決定されるのは幹事会に諮り、協議会で最終決議した時点とすべきです。

II. 国の政策は競争から協調へと舵を切っており、また、岡山市においてもその流れを形成するべく今日まで努力してきたことを踏まえると、協議会での協議それ自体を否定することは協調の流れや法改正の趣旨に明確に反するものであり、到底認められません。

III. 岡山市は、利用者利便の確保に加えて、バス事業者の経営の安定化に向けて運賃適正化などを目指す公共交通政策を掲げているにもかかわらず、この政策に相反する異種(低廉)運賃による事業規模の拡張について、岡山市は「良いこと」と認識しており政策に一貫性がありません。

IV. 岡山市の公共交通のあり方については、国任せにするのではなく、岡山市が強い意志とリーダーシップを持ち、積極的に関わっていくべきです。

 上記を踏まえ次の協議会において本件を議題化していただくよう強く要請させていただきます。

                                   以上